プロボクシングのWBOアジア・パシフィック・バンタム級王者の那須川天心（26）＝帝拳＝が12日、東京・新宿区の帝拳ジムで、前WBO世界同級王者のジェーソン・モロニー（34）＝オーストラリア＝と闘う同級10回戦（24日、東京・有明アリーナ）に向けた練習を公開。世界ランカーとの3ラウンドのスパーリングで好調をアピールした。

ボクシング6戦目で初めて世界王者経験者との試合に臨む那須川がシャドーボクシングを計4ラウンド、スパーリングを3ラウンド、ミット打ちを計5ラウンド惜しみなく披露した。

「公開練習というか普通の追い込みをやってしまいました。記者の方は途中で飽きてる方もいたと思うんですけど。申し訳ないですね」

世界戦などの試合の約1、2週間前に行われる恒例の公開練習ではスパーリングなどは行わず、写真撮影用に軽めのシャドーボクシングを1ラウンドのみ公開する場合もあるなど手の内を隠すのが一般的だが、那須川はボクシング1戦目から異例とも言えるスパーリングを公開してきている。これは那須川の意向によるもので「リアルを見せていくっていうのはずっとテーマ。公開練習だろうが練習だろうが、変わらず本気でやってるぞっていう誠意を見せる」と説明した。

公開スパーリングの内容はさらなる進化を感じさせるものだった。1月12日にメキシコからスパーリングパートナー3選手が来日。この日はWBCシルバー同級王者のアレハンドロ・ジャイル・ゴンサレス（25）＝メキシコ＝を相手に1ラウンド目は距離感を意識して右ジャブでコントロール。抜群のディフェンス力でほとんど被弾しなかった。2ラウンド目からは自分から攻撃を仕掛け、左の強打を当てる場面を見せ、3ラウンドは近めの距離で打ち合った。

ボクシング転向後初のタイトル戦だった昨年10月の前戦で見えた課題の「自分からアクションを起こす」ことと「前の手の使い方」に重点を置いて練習に取り組んできた。これまで週3度だったスパーリングを基本週4度に増やし、過去最高の計100ラウンド以上はこなしてきた。「中間距離の闘いになるんじゃないか。何がきても大丈夫なように準備してきた」とモロニー撃破に自信を示した。

興行は動画配信サービスのアマゾンプライムビデオで午後5時から独占生配信される。プロ戦績は那須川が5戦5勝（2KO）、モロニーが30戦27勝（19KO）3敗、ゴンサレスが27戦18勝（10KO）6敗3分け。（尾﨑陽介）
https://news.yahoo.co.jp/articles/fed3107efbfa456cd4793828a63007fd4aa1ecf4
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